近年、コロナウイルスの再流行が繰り返される中で、介護施設は特に感染症のリスクが高い現場です。高齢者は重症化しやすいため、施設内で一度クラスターが発生すると、利用者の生命に直結する深刻な事態になりかねません。
そこで本記事では、介護現場で実践できる予防策と、実際に感染が発生した場合の具体的な対応策を、体験談を交えながら解説していきます。

体験談
私の介護仲間が勤める特養で、ある冬にコロナ感染が発生しました。
最初は職員の一人が「ちょっとした風邪かもしれない」と思いながら勤務してしまったのが始まり。翌日、数名の利用者に発熱が見られ、検査の結果コロナ陽性が判明。施設全体が緊張感に包まれました。
しかしその施設では、日頃から「ゾーニング」や「対応マニュアル」を作成していたため、感染者エリアと非感染者エリアを即座に分け、職員も班ごとに配置換え。結果、最小限の拡大で収束させることができたのです。
この体験は「日頃からの備えが命を守る」ということを改めて実感させてくれました。

感染症を防ぐために介護施設でできる予防策
① 基本的な感染対策を徹底する
- 手洗い・うがい・マスク着用は習慣化
- 利用者・職員ともに「体調チェックシート」で毎日の健康観察
- 換気や空気清浄機の活用
② ゾーニング(区域分け)を行う
- 感染者エリアと非感染者エリアを明確に分ける
- 動線を交わらせないよう、看板や仕切りで工夫
③ 共有物の消毒を徹底
- テーブル・ドアノブ・手すりは定期的にアルコール消毒
- タオルは共用せず、ペーパータオルや個別タオルを導入
④ 職員同士の意識を高める
- 「少しでも体調が悪いときは休む」というルールを徹底
- 勤務交代や応援体制を整えておく
⑤ 利用者・家族への説明と協力依頼
- 面会制限やオンライン面会の導入
- 家族に「体調が悪い時の面会は控える」よう周知
感染が発生してしまった場合の対応マニュアル
① すぐに上司・施設長に報告し、行政機関へ連絡
→ 保健所や自治体の指導を仰ぐことで、迅速かつ正しい対応が可能になります。
② ゾーニングを強化し、感染者と非感染者を分ける
→ 陽性者のケアは専任スタッフが行い、他の職員と接触しないよう徹底。
③ 記録を残す
→ 誰がいつどの利用者と接触したか、細かく記録しておくことが再発防止に役立ちます。
④ 家族への情報共有
→ 利用者家族は不安を抱くため、状況を正直に伝えることが信頼につながります。
⑤ 職員のケアを忘れない
→ 心身の負担が大きいため、休憩を確保し、場合によっては外部の応援職員を依頼。
まとめ
介護現場でのコロナ感染症対策は、日常的な予防の積み重ねが最も大切です。感染が起きたときに慌てず対応できるよう、施設全体でルールを作り、職員一人ひとりが意識を持つことが求められます。
「介護は人を支える仕事」であると同時に、「働く人も守られるべき存在」です。私たち一人ひとりの行動が、利用者と自分自身の命を守ります。
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